船員法令和8年5月13日施行

船員法

法令番号
昭和二十二年法律第百号
施行時点
令和8年5月13日施行現在施行
法令履歴ID
322AC0000000100_20260513_507AC0000000032

この法律において「船員」とは、日本船舶又は日本船舶以外の国土交通省令で定める船舶に乗り組む船長及び海員並びに予備船員をいう。
前項に規定する船舶には、次の船舶を含まない。
  1. 総トン数五トン未満の船舶
  2. 湖、川又は港のみを航行する船舶
  3. 政令の定める総トン数三十トン未満の漁船
  4. 前三号に掲げるもののほか、船舶職員及び小型船舶操縦者法第二条第四項に規定する小型船舶であつて、スポーツ又はレクリエーションの用に供するヨット、モーターボートその他のその航海の目的、期間及び態様、運航体制等からみて船員労働の特殊性が認められない船舶として国土交通省令の定めるもの
前項第二号の港の区域は、港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)に基づく港の区域の定めのあるものについては、その区域によるものとする。ただし、国土交通大臣は、政令で定めるところにより、特に港を指定し、これと異なる区域を定めることができる。
この法律において「海員」とは、船内で使用される船長以外の乗組員で労働の対償として給料その他の報酬を支払われる者をいう。
この法律において「予備船員」とは、前条第一項に規定する船舶に乗り組むため雇用されている者で船内で使用されていないものをいう。
この法律において「職員」とは、航海士、機関長、機関士、通信長、通信士及び国土交通省令で定めるその他の海員をいう。
この法律において「部員」とは、職員以外の海員をいう。
この法律において「給料」とは、船舶所有者が船員に対し一定の金額により定期に支払う報酬のうち基本となるべき固定給をいう。
この法律において「労働時間」とは、船員が職務上必要な作業に従事する時間(海員にあつては、上長の職務上の命令により作業に従事する時間に限る。)をいう。
この法律の規定(第十一章の二、第百十三条第三項第百三十条の二第百三十条の三第百三十一条(第七号に係る部分に限る。)及び第百三十五条第一項第百三十条の二第百三十条の三又は第百三十一条第七号の違反行為に係る部分に限る。)を除く。)及びこの法律に基づく命令の規定(第十一章の二の規定に基づく命令の規定を除く。)のうち、船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人に、船舶所有者、船舶管理人及び船舶借入人以外の者が船員を使用する場合にはその者にこれを適用する。
第十一章の二、第百十三条第三項第百三十条の二第百三十条の三第百三十一条(第七号に係る部分に限る。)及び第百三十五条第一項第百三十条の二第百三十条の三又は第百三十一条第七号の違反行為に係る部分に限る。)の規定並びに第十一章の二の規定に基づく命令の規定のうち、船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人にこれを適用する。

船長は、海員を指揮監督し、且つ、船内にある者に対して自己の職務を行うのに必要な命令をすることができる。
船長は、国土交通省令の定めるところにより、発航前に船舶が航海に支障ないかどうかその他航海に必要な準備が整つているかいないかを検査しなければならない。
船長は、航海の準備が終つたときは、遅滞なく発航し、且つ、必要がある場合を除いて、予定の航路を変更しないで到達港まで航行しなければならない。
船長は、船舶が港を出入するとき、船舶が狭い水路を通過するときその他船舶に危険の虞があるときは、甲板にあつて自ら船舶を指揮しなければならない。
船長は、やむを得ない場合を除いて、自己に代わつて船舶を指揮すべき者にその職務を委任した後でなければ、荷物の船積及び旅客の乗込の時から荷物の陸揚及び旅客の上陸の時まで、自己の指揮する船舶を去つてはならない。
船長は、自己の指揮する船舶に急迫した危険があるときは、人命の救助並びに船舶及び積荷の救助に必要な手段を尽くさなければならない。
船長は、船舶が衝突したときは、互に人命及び船舶の救助に必要な手段を尽し、且つ船舶の名称、所有者、船籍港、発航港及び到達港を告げなければならない。但し、自己の指揮する船舶に急迫した危険があるときは、この限りでない。
国土交通省令で定める船舶の船長は、その輸送中のコンテナが海中に転落したときは、直ちに、当該コンテナが海中に転落したと見込まれる地点その他の国土交通省令で定める事項を、国土交通省令で定めるところにより、自己の指揮する船舶の付近にある船舶であつて国土交通省令で定める範囲内にあるもの、当該地点の最寄りの海上保安機関及び自己の指揮する船舶の旗国(海洋法に関する国際連合条約第九十一条に規定するその旗を掲げる権利を有する国をいう。)の権限のある機関に通報しなければならない。
船舶所有者その他船舶の運航に関し権原を有する者として国土交通省令で定めるものは、異常気象その他の事由により前項に規定する船長が同項の規定による通報をすることが困難であると認めるときは、当該船長に代わつてこれをするよう努めなければならない。
船長は、他の船舶又は航空機の遭難を知つたときは、人命の救助に必要な手段を尽さなければならない。但し、自己の指揮する船舶に急迫した危険がある場合及び国土交通省令の定める場合は、この限りでない。
国土交通省令の定める船舶の船長は、暴風雨、流氷その他の異常な気象、海象若しくは地象又は漂流物若しくは沈没物であつて、船舶の航行に危険を及ぼすおそれのあるものに遭遇したときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨を附近にある船舶及び海上保安機関その他の関係機関に通報しなければならない。
国土交通省令の定める船舶の船長は、第十二条(船舶に危険がある場合における処置)乃至第十四条(遭難船舶等の救助)に規定する場合その他非常の場合における海員の作業に関し、国土交通省令の定めるところにより、非常配置表を定め、これを船員室その他適当な場所に掲示して置かなければならない。
国土交通省令の定める船舶の船長は、国土交通省令の定めるところにより、海員及び旅客について、防火操練、救命艇操練その他非常の場合のために必要な操練を実施しなければならない。
船長は、船舶の航行中船内にある者が死亡したときは、国土交通省令の定めるところにより、これを水葬に付することができる。
船長は、船内にある者が死亡し、又は行方不明となつたときは、法令に特別の定がある場合を除いて、船内にある遺留品について、国土交通省令の定めるところにより、保管その他の必要な処置をしなければならない。
船長は、外国に駐在する日本の領事官が、法令の定めるところにより、日本国民の送還を命じたときは、正当の事由がなければ、これを拒むことができない。
船長は、国土交通省令で定める場合を除いて、次の書類を船内に備え置かなければならない。
  1. 船舶国籍証書又は国土交通省令で定める証書
  2. 海員名簿
  3. 航海日誌
  4. 積荷に関する書類
海員名簿及び航海日誌に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
船長は、左の各号の一に該当する場合には、国土交通省令の定めるところにより、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。
  1. 船舶の衝突、乗揚、沈没、滅失、火災、機関の損傷その他の海難が発生したとき。
  2. 人命又は船舶の救助に従事したとき。
  3. 無線電信によつて知つたときを除いて、航行中他の船舶の遭難を知つたとき。
  4. 船内にある者が死亡し、又は行方不明となつたとき。
  5. 予定の航路を変更したとき。
  6. 船舶が抑留され、又は捕獲されたときその他船舶に関し著しい事故があつたとき。
船長が死亡したとき、船舶を去つたとき、又はこれを指揮することができない場合において他人を選任しないときは、運航に従事する海員は、その職掌の順位に従つて船長の職務を行う。

海員は、次の事項を守らなければならない。
  1. 上長の職務上の命令に従うこと。
  2. 職務を怠り、又は他の乗組員の職務を妨げないこと。
  3. 船長の指定する時までに船舶に乗り込むこと。
  4. 船長の許可なく船舶を去らないこと。
  5. 船長の許可なく救命艇その他の重要な属具を使用しないこと。
  6. 船内の食料又は淡水を濫費しないこと。
  7. 船長の許可なく電気若しくは火気を使用し、又は禁止された場所で喫煙しないこと。
  8. 船長の許可なく日用品以外の物品を船内に持ち込み、又は船内から持ち出さないこと。
  9. 船内において争闘、乱酔その他粗暴の行為をしないこと。
  10. その他船内の秩序を乱すようなことをしないこと。
船長は、海員が前条(船内秩序)の事項を守らないときは、これを懲戒することができる。
懲戒は、上陸禁止及び戒告の二種とし、上陸禁止の期間は、初日を含めて十日以内とし、その期間には、停泊日数のみを算入する。
船長は、海員を懲戒しようとするときは、三人以上の海員を立ち会わせて本人及び関係人を取り調べた上、立会人の意見を聴かなければならない。
船長は、海員が凶器、爆発又は発火しやすい物、劇薬その他の危険物を所持するときは、その物につき保管、放棄その他の処置をすることができる。
船長は、船内にある者の生命若しくは身体又は船舶に危害を及ぼすような行為をしようとする海員に対し、その危害を避けるのに必要な処置をすることができる。
船長は、必要があると認めるときは、旅客その他船内にある者に対しても、前二条に規定する処置をすることができる。
船長は、雇入契約の終了の届出をした後当該届出に係る海員が船舶を去らないときは、その海員を強制して船舶から去らせることができる。
船長は、海員その他船内にある者の行為が人命又は船舶に危害を及ぼしその他船内の秩序を著しくみだす場合において、必要があると認めるときは、行政庁に援助を請求することができる。
労働関係に関する争議行為は、船舶が外国の港にあるとき、又はその争議行為に因り人命若しくは船舶に危険が及ぶようなときは、これをしてはならない。

この法律で定める基準に達しない労働条件を定める雇入契約(予備船員については、雇用契約。以下この条、次条第三十三条第三十四条第五十八条第八十四条及び第百条において同じ。)は、その部分については、無効とする。この場合には、雇入契約は、その無効の部分については、この法律で定める基準に達する労働条件を定めたものとみなす。
船舶所有者は、雇入契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該雇入契約の相手方となろうとする者(次項において「相手方」という。)に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。
  1. 船舶所有者の名称又は氏名及び住所
  2. 給料、労働時間その他の労働条件に関する事項であつて、雇入契約の内容とすることが必要なものとして国土交通省令で定めるもの
前項の場合において、当該雇入契約に係る航海が海上運送法第二十六条第一項の規定による命令によるものであるときは、船舶所有者は、あらかじめ、相手方に対し、その旨を書面を交付して説明しなければならない。
船舶所有者は、雇入契約の内容(第一項第二号に掲げる事項に限る。)を変更しようとするときは、あらかじめ、船員に対し、当該変更の内容について書面を交付して説明しなければならない。
第二項の規定は、前項の場合について準用する。
船舶所有者は、次に掲げる者を船員として雇い入れてはならない。
  1. 当該船舶所有者が、船員職業安定法第四十四条第一項の許可を受けないで日本国内において募集受託者(同条第二項に規定する募集受託者をいう。第三号において同じ。)に行わせた船員の募集(同法第六条第八項に規定する船員の募集をいう。同号において同じ。)に応じた者
  2. 船員職業安定法第三十四条第一項の許可を受けて、又は同法第四十条第一項の規定による届出をして船員職業紹介事業(同法第六条第三項に規定する船員職業紹介事業をいう。第四号において同じ。)を行う者以外の者(日本政府、同法第六条第四項に規定する特定地方公共団体及び船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)第七条第二項に規定する船員雇用促進センターを除く。)が日本国内において当該船舶所有者に紹介した求職者
  3. 当該船舶所有者が、外国において、当該外国における船員の募集を適確に実施することができるものとして国土交通省令で定める基準に適合しない募集受託者に行わせた船員の募集に応じた者
  4. 外国において、当該外国における船員職業紹介事業を適確に実施することができるものとして国土交通省令で定める基準に適合しない者が当該船舶所有者に紹介した求職者
船舶所有者は、雇入契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
船舶所有者は、雇入契約に附随して、貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。
船舶所有者は、船員の委託を受けてその貯蓄金を管理しようとする場合においては、国土交通省令の定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出なければならない。
船舶所有者は、船員の委託を受けてその貯蓄金の管理をする場合において、貯蓄金の管理が預金の受入れであるときは、利子をつけなければならない。この場合において、その利率が金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して国土交通省令の定める利率を下るときは、その国土交通省令の定める利率による利子をつけることとしたものとみなす。
船員は、船舶所有者に管理を委託した貯蓄金については、いつでも、返還を請求することができる。
船舶所有者は、船員に対する債権と給料の支払の債務とを相殺してはならない。但し、相殺の額が給料の額の三分の一を超えないとき及び船員の犯罪行為に因る損害賠償の請求権を以てするときは、この限りでない。
船舶所有者は、雇入契約が成立したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を船員に交付しなければならない。
  1. 第三十二条第一項各号に掲げる事項
  2. 当該雇入契約を締結した船員の氏名、住所及び生年月日
  3. 当該雇入契約を締結した場所及び年月日
船舶所有者は、雇入契約の内容(第三十二条第一項第二号に掲げる事項に限る。)を変更したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その変更の内容並びに当該変更について船員と合意した場所及び年月日を記載した書面を船員に交付しなければならない。
船舶所有者は、前二項の書面の写しを船内に備え置かなければならない。
船舶所有者は、雇入契約の成立、終了、更新又は変更(以下「雇入契約の成立等」という。)があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、国土交通大臣に届け出なければならない。
国土交通大臣は、雇入契約の成立等の届出があつたときは、その雇入契約が航海の安全又は船員の労働関係に関する法令の規定に違反するようなことがないかどうか及び当事者の合意が充分であつたかどうかを確認するものとする。この場合において、国土交通大臣は、必要があると認めるときは、第百一条第一項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。
船舶が左の各号の一に該当する場合には、雇入契約は、終了する。
  1. 沈没又は滅失したとき。
  2. 全く運航に堪えなくなつたとき。
船舶の存否が一箇月間分らないときは、船舶は、滅失したものと推定する。
第一項の規定により雇入契約が終了したときでも、船員は、人命、船舶又は積荷の応急救助のために必要な作業に従事しなければならない。
前項の規定により応急救助の作業に従事する場合には、第一項の規定にかかわらず、その作業が終了するまでは、雇入契約は、なお存続する。船員がその作業の終了後引き続き遺留品の保全、船員の送還その他必要な残務の処理に従事する場合において、その処理が終了するまでの間についても、同様とする。
前項後段の規定により雇入契約が存続する間においては、船舶所有者又は船員は、いつでも、当該雇入契約を解除することができる。
船舶所有者は、左の各号の一に該当する場合には、雇入契約を解除することができる。
  1. 船員が著しく職務に不適任であるとき。
  2. 船員が著しく職務を怠つたとき、又は職務に関し船員に重大な過失のあつたとき。
  3. 海員が船長の指定する時までに船舶に乗り込まないとき。
  4. 海員が著しく船内の秩序をみだしたとき。
  5. 船員が負傷又は疾病のため職務に堪えないとき。
  6. 前各号の場合を除いて、やむを得ない事由のあるとき。
船員は、左の各号の一に該当する場合には、雇入契約を解除することができる。
  1. 船舶が雇入契約の成立の時における国籍を失つたとき。
  2. 雇入契約により定められた労働条件と事実とが著しく相違するとき。
  3. 船員が負傷又は疾病のため職務に堪えないとき。
  4. 船員が国土交通省令の定めるところにより教育を受けようとするとき。
船舶が外国の港からの航海を終了した場合において、その船舶に乗り組む船員が、二十四時間以上の期間を定めて書面で雇入契約の解除の申入をしたときは、その期間が満了した時に、その者の雇入契約は、終了する。
海員は、船長の適当と認める自己の後任者を提供したときは、雇入契約を解除することができる。
期間の定のない雇入契約は、船舶所有者又は船員が二十四時間以上の期間を定めて書面で解除の申入をしたときは、その期間が満了した時に終了する。
相続その他の包括承継の場合を除いて、船舶所有者の変更があつたときは、雇入契約は、終了する。
前項の場合には、雇入契約の終了の時から、船員と新所有者との間に従前と同一条件の雇入契約が存するものとみなす。この場合には、船員は、前条の規定に準じて雇入契約を解除することができる。
雇入契約が終了した時に船舶が航行中の場合には、次の港に入港してその港における荷物の陸揚及び旅客の上陸が終る時まで、雇入契約が終了した時に船舶が停泊中の場合には、その港における荷物の陸揚及び旅客の上陸が終る時まで、その雇入契約は、存続するものとみなす。
船舶所有者は、雇入契約が適当な船員を補充することのできない港において終了する場合には、適当な船員を補充することのできる港に到着して荷物の陸揚及び旅客の上陸が終る時まで、雇入契約を存続させることができる。但し、第四十一条第一項第一号乃至第三号の場合は、この限りでない。
船舶所有者は、船員が職務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため作業に従事しない期間及びその後三十日間並びに女子の船員が第八十七条第一項又は第二項の規定によつて作業に従事しない期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、療養のため作業に従事しない期間が三年を超えた場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
前項但書の天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、その事由について国土交通大臣の認定を受けなければならない。
船舶所有者は、予備船員を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない船舶所有者は、一箇月分の給料の額と同額の予告手当を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は予備船員の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。
前項の予告の日数は、一日について、国土交通省令の定めるところにより算定する給料の額と同額の予告手当を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
第一項但書の場合においては、その事由について国土交通大臣の認定を受けなければならない。
船舶所有者は、第三十九条(沈没等に因る雇入契約の終了)の規定により雇入契約が終了したときは、その翌日(行方不明となつた船員については、その生存が知れた日)から二箇月(その行方不明について行方不明手当の支払を受くべき船員については、二箇月から行方不明中の期間を控除した期間)の範囲内において、船員の失業期間中毎月一回その失業日数に応じ給料の額と同額の失業手当を支払わなければならない。
船舶所有者(第四号の場合には旧所有者)は、左の各号の一に該当する場合には、遅滞なく、船員に一箇月分の給料の額と同額の雇止手当を支払わなければならない。
  1. 第四十条(雇入契約の解除)第六号の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
  2. 第四十一条第一項第一号又は第二号の規定により船員が雇入契約を解除したとき。
  3. 第四十二条の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
  4. 第四十三条第一項の規定により雇入契約が終了したとき。
  5. 船員が第八十三条(健康証明書)の健康証明書を受けることができないため雇入契約が解除されたとき。
船舶所有者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港又は雇入港までの送還に要する費用の範囲内で送還することのできるその他の地(雇入れのため雇入港に招致した船員及び未成年者の船員にあつては、雇入港若しくは雇入契約の成立の時における船員の居住地又はこれらのいずれかまでの送還に要する費用の範囲内で送還することのできるその他の地。次項において「雇入港等」という。)まで船員を送還しなければならない。ただし、送還に代えてその費用を支払うことができる。
  1. 第三十九条(沈没等に因る雇入契約の終了)の規定により雇入契約が終了したとき。
  2. 第四十条(雇入契約の解除)第一号又は第六号の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
  3. 第四十条(雇入契約の解除)第五号又は第四十一条第一項第三号の規定により船舶所有者又は船員が雇入契約を解除したとき。ただし、船員の職務外の負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。
  4. 第四十一条第一項第一号又は第二号の規定により船員が雇入契約を解除したとき。
  5. 第四十二条の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
  6. 第四十三条第二項の規定により船員が雇入契約を解除したとき。
  7. 雇入契約が期間の満了により船員の本国以外の地で終了したとき。
  8. 船員が第八十三条(健康証明書)の健康証明書を受けることができないため雇入契約が解除されたとき。
船舶所有者は、第四十条(雇入契約の解除)第二号から第四号までの規定により雇入契約を解除した場合又は同条(送還)第五号の規定により雇入契約を解除した場合(船員の職務外の負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のある場合に限る。)において、船員が自己の負担においてその希望する雇入港等まで移動することができないときは、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港等まで船員を送還しなければならない。ただし、送還に代えてその費用を支払うことができる。
前二項の規定により船員を送還する場合における輸送手段は、正当な理由がある場合を除き、船員の希望に応じたものでなければならない。
船舶所有者は、第二項の規定により、その費用で船員を送還したとき、又は送還に代えてその費用を支払つたときは、船員に対し、当該費用の償還を請求することができる。
船舶所有者の負担すべき船員の送還の費用は、送還中の運送賃、宿泊費及び食費並びに雇入契約の終了の時から遅滞なく出発する時までの宿泊費及び食費とする。
船舶所有者は、第四十七条第一項の規定により船員を送還する場合には、船員の送還に要する日数に応じ給料の額と同額の送還手当を支払わなければならない。同項ただし書の規定により送還に代えてその費用を支払うときも同様とする。
前項の送還手当は、船舶所有者が送還するときは、毎月一回、送還に代えてその費用を支払うときは、その際これを支払わなければならない。
船員は、国土交通大臣が交付する船員手帳を受有しなければならない。
船長は、海員の乗船中その船員手帳を保管しなければならない。
船員手帳には、国土交通大臣、船舶所有者その他の者が当該船員手帳を受有する船員の身分関係事項その他の事実を記載するものとする。
前項に定めるもののほか、船長は、その指揮する船舶に乗り組もうとし、又は乗り組む船員について雇入契約の成立等があつたことを知つたときは、遅滞なく、当該船員の船内における職務、雇入期間その他の勤務に関する事項をその船員手帳に記載しなければならない。ただし、船舶所有者が国土交通省令で定めるところにより船員に対し当該勤務に関する事項を記載した書面を交付した場合は、この限りでない。
前各項に定めるもののほか、船員手帳の二重受有の禁止及び記載事項の訂正に係る申請義務並びに船員手帳の返還の手続に関し船員及び船長その他他人の船員手帳を保管する者の遵守すべき事項は、政令で定める。
前各項に定めるもののほか、船員手帳の様式並びにその交付、再交付、訂正、書換え及び返還に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
海員は、船舶所有者又は船長に対し勤務の成績に関する証明書の交付を請求することができる。

船員の給料その他の報酬は、船員労働の特殊性に基き、且つ船員の経験、能力及び職務の内容に応じて、これを定めなければならない。
給料その他の報酬は、その全額を通貨で、第五十六条の規定による場合を除き直接船員に支払わなければならない。ただし、法令又は労働協約に別段の定めがある場合においては給料その他の報酬の一部を控除して支払い、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は給料その他の報酬で国土交通省令で定めるものについて確実な支払の方法で国土交通省令で定めるものによる場合においては通貨以外のもので支払うことができる。
国土交通省令の定める報酬を除いて、給料その他の報酬は、これを毎月一回以上一定の期日に支払わなければならない。
船舶所有者は、船員に給料その他の報酬を支払う場合においては、国土交通省令で定めるところにより、船員に対し、給料その他の報酬の支払に関する事項を記載した書面を交付しなければならない。
船舶所有者は、左の場合には、支払期日前でも遅滞なく、船員が職務に従事した日数に応じ、前条第二項に規定する給料その他の報酬を支払わなければならない。
  1. 船員が解雇され、又は退職したとき。
  2. 船員、その同居の親族又は船員の収入によつて生計を維持する者が結婚、葬祭、出産、療養又は不慮の災害の復旧に要する費用に充てようとする場合において、船員から請求のあつたとき。
船長は、海員の給料その他の報酬が船内において支払われるときは、直接海員にこれを手渡さなければならない。但し、やむを得ない事由のあるときは、他の職員に手渡させることができる。
船舶所有者は、船員から請求があつたときは、船員に支払わるべき給料その他の報酬をその同居の親族又は船員の収入によつて生計を維持する者に渡さなければならない。
船員は、負傷又は疾病のため職務に従事しない期間についても、雇入契約存続中給料及び国土交通省令の定める手当を請求することができる。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。
船員の報酬が歩合によつて支払われる場合においては、その歩合による毎月の額が雇入契約に定める一定額に達しないときでも、その報酬の額は、その一定額を下つてはならない。
第三十五条(相殺の制限)及び前条(傷病中の給料請求権)の規定の適用については、前項に規定する一定額の報酬は、これを給料とみなす。
船員の報酬が歩合によつて支払われるときは、第四十四条の三(解雇の予告)第四十五条(失業手当)第四十六条(雇止手当)第四十九条(送還手当)及び第七十八条(有給休暇中の報酬)の規定の適用については、雇入契約に定める額を以て一箇月分の給料の額とみなす。
前項の額は、第一項の一定額以下であつてはならない。
船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、報酬支払簿を備え置いて、船員に対する給料その他の報酬の支払に関する事項を記載しなければならない。
給料その他の報酬の最低基準に関しては、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)の定めるところによる。

船員の一日当たりの労働時間は、八時間以内とする。
船員の一週間当たりの労働時間は、基準労働期間について平均四十時間以内とする。
前項の基準労働期間とは、船舶の航行区域、航路その他の航海の期間及び態様に係る事項を勘案して国土交通省令で定める船舶の区分に応じて一年以下の範囲内において国土交通省令で定める期間(船舶所有者が就業規則その他これに準ずるものにより当該期間の範囲内においてこれと異なる期間を定めた場合又は労働協約により一年以下の範囲内においてこれらと異なる期間が定められた場合には、それぞれその定められた期間)をいう。
国土交通大臣は、前項の国土交通省令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、交通政策審議会の議を経なければならない。
船舶所有者が船員に与えるべき休日は、前条第二項の基準労働期間について一週間当たり平均一日以上とする。
船舶所有者は、船員の労働時間(第六十六条(第八十八条の二の二第四項及び第五項並びに第八十八条の三第四項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける時間を除く。)が一週間において四十時間を超える場合又は船員に一週間において少なくとも一日の休日を与えることができない場合には、その超える時間(当該一週間において少なくとも一日の休日が与えられない場合にあつては、その超える時間が八時間を超える時間。次項において「超過時間」という。)において作業に従事すること又はその休日を与えられないことに対する補償としての休日(以下「補償休日」という。)を、当該一週間に係る第六十条第二項の基準労働期間以内にその者に与えなければならない。ただし、船舶が航海の途中にあるときその他の国土交通省令で定めるやむを得ない事由のあるときは、その事由の存する期間、補償休日を与えることを延期することができる。
前項の規定により与えるべき補償休日の日数は、超過時間の合計八時間当たり又は少なくとも一日の休日が与えられない一週間当たり一日を基準として、第六十条第二項及び前条(休日)の規定を遵守するために必要な日数として国土交通省令で定めるところにより算定される日数とし、その付与の単位は、一日(国土交通省令で定める場合は、国土交通省令で定める一日未満の単位)とする。
第一項の規定により与えられた補償休日を含む一週間に係る同項の規定の適用については、当該補償休日はそれを与えられた船員が作業に従事した日であつて休日以外のものとみなし、その労働時間は八時間(当該補償休日が前項の国土交通省令の規定による一日未満の単位で与えられたものである場合には、国土交通省令で定める時間)とみなす。
前三項に定めるもののほか、補償休日の付与に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
船舶所有者は、前条第一項の規定により補償休日を与えるべき船員が当該補償休日を与えられる前に解雇され、又は退職したときは、その者に与えるべき補償休日の日数に応じ、国土交通省令で定める補償休日手当を支払わなければならない。
船長は、船舶の航海の安全を確保するため臨時の必要があるときは、第六十条第一項の規定若しくは第七十二条(特例)の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて、自ら作業に従事し、若しくは海員を作業に従事させ、又は第六十二条第一項若しくは第六十五条の三(休息時間)の規定にかかわらず、補償休日若しくは休息時間において、自ら作業に従事し、若しくは海員を作業に従事させることができる。
船長は、前項に規定する場合のほか、船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の必要がある場合においては、国土交通省令で定める時間を限度として、第六十条第一項の規定又は第七十二条(特例)の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて、自ら作業に従事し、又は海員を作業に従事させることができる。
船長は、第一項の規定により、補償休日又は休息時間において、自ら作業に従事し、又は海員を作業に従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。
船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、第六十条第一項の規定又は第七十二条(特例)の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させることができる。
国土交通大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、船員の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
第一項の協定をする船舶所有者及び労働組合又は船員の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
国土交通大臣は、第二項の基準に関し、第一項の協定をする船舶所有者及び労働組合又は船員の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、第六十二条第一項の規定にかかわらず、その協定で定めるところにより、かつ、国土交通省令で定める補償休日の日数を限度として、補償休日において船員を作業に従事させることができる。
第六十四条第二項の規定により第六十条第一項の規定又は第七十二条(特例)の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させる場合であつても、船員の一日当たりの労働時間及び一週間当たりの労働時間は、第六十条第一項の規定及び第七十二条(特例)の国土交通省令の規定による労働時間並びに海員にあつては次項の規定による作業に従事する労働時間を含め、それぞれ十四時間及び七十二時間を限度とする。
第六十四条の二第一項の規定により第六十条第一項の規定又は第七十二条(特例)の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて海員を作業に従事させる場合であつても、海員の一日当たりの労働時間及び一週間当たりの労働時間は、第六十条第一項の規定及び第七十二条(特例)の国土交通省令の規定による労働時間並びに前項の規定による作業に従事する労働時間を含め、それぞれ十四時間及び七十二時間を限度とする。
船舶所有者は、船員を前二項に規定する労働時間の限度を超えて作業に従事させてはならない。
第六十四条第一項の規定により船員が作業に従事した労働時間は、第一項及び第二項に規定する労働時間には算入しないものとする。
第一項から第三項までの規定は、海底の掘削に従事する船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員がこれらの規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶として国土交通省令で定めるものについては、適用しない。
船舶所有者は、休息時間を一日について三回以上に分割して船員に与えてはならない。
船舶所有者は、前項に規定する休息時間を一日について二回に分割して船員に与える場合において、休息時間のうち、いずれか長い方の休息時間を六時間以上としなければならない。
前二項の規定にかかわらず、船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、休息時間を、一日について三回以上に分割して、又は前項に規定する場合において休息時間のうちいずれか長い方の休息時間を六時間未満として、船員(海員にあつては、次に掲げる者に限る。)に与えることができる。
  1. 船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の安全上の必要がある場合において作業に従事する海員
  2. 定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が前二項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに乗り組む海員
船長は、第十二条(船舶に危険がある場合における処置)から第十四条(遭難船舶等の救助)までに規定する場合その他非常の場合以外の通常の場合における船員の船内作業の時間帯及び作業内容に関し、国土交通省令で定めるところにより、通常配置表を定め、これを船員室その他適当な場所に掲示しておかなければならない。
船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船員の労務管理を行う主たる事務所に記録簿を備え置いて、船員の労働時間及び休息時間並びに船員に対する休日及び有給休暇の付与に関する事項を記載しなければならない。
船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船員に対し、前項の記録簿の写しを交付しなければならない。
船舶所有者は、第一項の記録簿の作成に当たり、国土交通省令で定める方法により、船員の労働時間の状況を把握しなければならない。
船舶所有者は、前条第一項の記録簿の作成及び備置きその他の船員の労務管理に関する事項であつて国土交通省令で定めるものを管理させるため、労務管理責任者を選任しなければならない。
労務管理責任者は、船員の労働時間、作業による心身への負荷その他の船員の状況に鑑み、労働時間の短縮、休日又は有給休暇の付与、乗り組む船舶の変更その他国土交通省令で定める措置を講ずる必要があるときは、船舶所有者に対しその旨の意見を述べるものとする。
船舶所有者は、前項の規定による労務管理責任者の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、船員の健康状態その他の実情を考慮して、同項の措置のうち適切なものを講じなければならない。
船舶所有者は、前項の措置を講ずるため運航計画(内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)第十二条第一項に規定する運航計画をいう。)の作成及び実施に関する事項について変更の必要があると認めるときは、当該船員が乗り組む船舶の運航の管理を行う同法第八条第一項に規定する内航運送をする内航海運業者に対し意見を述べなければならない。
船舶所有者は、労務管理責任者について、必要な研修を受けさせることその他の第一項に規定する事項を管理するための知識の習得及び向上を図るための措置を講ずるよう努めなければならない。
第六十条(労働時間)から前条(労務管理責任者)までの規定及び第七十二条(特例)の国土交通省令の規定は、船員が人命、船舶若しくは積荷の安全を図るため又は人命若しくは他の船舶を救助するため緊急を要する作業に従事する場合(海員にあつては、船長の命令により当該作業に従事する場合に限る。)には、これを適用しない。
船長は、補償休日又は休息時間において、前項の作業に自ら従事し、又は海員を従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。
船舶所有者は、国土交通省令で定める場合を除いて、第六十条第一項の規定又は第七十二条(特例)の国土交通省令の規定を遵守するために必要な海員の定員を定めて、その員数の海員を乗り組ませなければならない。
船舶所有者は、航海中海員に欠員を生じたときは、遅滞なくその欠員を補充しなければならない。
船舶所有者は、前条(定員)の規定によるほか、航海当直その他の船舶の航海の安全を確保するための作業を適切に実施するために必要な員数の海員を乗り組ませなければならない。
第六十条(労働時間)から第六十九条(定員)までの規定は、次に掲げる船舶については、これを適用しない。
  1. 漁船
  2. 船員が断続的作業に従事する船舶で船舶所有者が国土交通大臣の許可を受けたもの
前項各号の船舶に係る前条の規定の適用については、同条(適用範囲等)中「前条の規定によるほか、航海当直」とあるのは、「航海当直」とする。
定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が第六十条第一項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに関しては、当該船舶の航海の態様及び当該船員の職務に応じ、国土交通省令で定める一定の期間を平均した一日当たりの労働時間が八時間を超えず、かつ、一日当たりの労働時間が十四時間を超えない範囲内において、船員の一日当たりの労働時間について国土交通省令で別段の定めをすることができる。
第六十条(労働時間)から第六十九条(定員)までの規定の適用を受けない船員の労働時間、休日及び定員に関し船舶所有者の遵守すべき事項は、政令で定める。
国土交通大臣は、前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、交通政策審議会の議を経なければならない。

船舶所有者は、船員が同一の事業に属する船舶において初めて六箇月間連続して勤務(船舶のぎ装又は修繕中の勤務を含む。以下同じ。)に従事したときは、その六箇月の経過後一年以内にその船員に次条第一項又は第二項の規定による日数の有給休暇を与えなければならない。ただし、船舶が航海の途中にあるとき、又は船舶の工事のため特に必要がある場合において国土交通大臣の許可を受けたときは、当該航海又は工事に必要な期間(工事の場合にあつては、三箇月以内に限る。)、有給休暇を与えることを延期することができる。
船舶所有者は、船員が前項の規定により与えられた有給休暇に係る連続した勤務の後に当該同一の事業に属する船舶において一年間連続して勤務に従事したときは、その一年の経過後一年以内にその船員に次条第三項又は第四項の規定による日数の有給休暇を与えなければならない。
第一項ただし書の規定は、前項の場合について準用する。
船員が同一の事業に属する船舶における勤務に準ずる勤務として国土交通省令で定めるものに従事した期間並びに船員が職務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため勤務に従事しない期間、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第一号に規定する育児休業又は同条第二号に規定する介護休業(同法第六十一条第三項に規定する行政執行法人介護休業及び同法第六十一条の二第三項に規定する介護をするための休業を含む。)をした期間及び女子の船員が第八十七条第一項又は第二項の規定によつて勤務に従事しない期間は、連続して勤務に従事した期間の計算については、同一の事業に属する船舶において勤務に従事した期間とみなす。
船舶における勤務が中断した場合において、その中断の事由が船員の故意又は過失によるものでなく、かつ、その中断の期間の合計が一年当たり六週間を超えないときは、その中断の期間は、船員が当該期間の前後の勤務と連続して勤務に従事した期間とみなす。
前条第一項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、連続した勤務六箇月について十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに五日を加える。ただし、同項ただし書の規定により有給休暇の付与を延期したときは、その延期した期間一箇月を増すごとに二日を加える。
沿海区域又は平水区域を航行区域とする船舶で国内各港間のみを航海するものに乗り組む船員に前条第一項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、前項の規定にかかわらず、連続した勤務六箇月について十日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに三日(同項ただし書に規定する期間については、一箇月を増すごとに一日)を加える。
前条第二項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、連続した勤務一年について二十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに五日を加える。ただし、同条第三項において準用する同条第一項ただし書の規定により有給休暇の付与を延期したときは、その延期した期間一箇月を増すごとに二日を加える。
第二項に規定する船員に前条第二項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、前項の規定にかかわらず、連続した勤務一年について十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに三日(同項ただし書に規定する期間については、一箇月を増すごとに一日)を加える。
船舶所有者が船員に週休日、祝祭日の休日、慣習による休日又はこれらに代わるべき休日を与えているときは、その休日の日数は、これを前条(有給休暇の日数)の有給休暇の日数に算入しないものとする。負傷又は疾病に因り勤務に従事しない日数も同様とする。
有給休暇を与うべき時期及び場所については、船舶所有者と船員との協議による。
有給休暇は、労働協約の定めるところにより、期間を分けて、これを与えることができる。
船舶所有者は、有給休暇中船員に給料並びに国土交通省令の定める手当及び食費を支払わなければならない。
船舶所有者は、有給休暇を請求することができる船員が有給休暇を与えられる前に解雇され、又は退職したときは、その者に与うべき有給休暇の日数に応じ前項の給料、手当及び食費を支払わなければならない。
この章の規定は、左の船舶については、これを適用しない。
  1. 漁船
  2. 船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶
国土交通大臣は、必要があると認めるときは、交通政策審議会の決議により、漁船に乗り組む船員の有給休暇に関し必要な国土交通省令を発することができる。

船舶所有者は、船員の乗船中、これに食料を支給しなければならない。
前項の規定による食料の支給は、船員が職務に従事する期間又は船員が負傷若しくは疾病のため職務に従事しない期間においては、船舶所有者の費用で行わなければならない。
第一項の規定による食料の支給は、遠洋区域若しくは近海区域を航行区域とする船舶で総トン数七百トン以上のもの又は国土交通省令で定める漁船に乗り組む船員に支給する場合にあつては、国土交通大臣の定める食料表に基づいて行わなければならない。
船舶所有者は、その大きさ、航行区域及び航海の態様を勘案して国土交通省令で定める船舶には、第一項の規定による船内における食料の支給を適切に行う能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に該当する者を乗り組ませなければならない。
船舶所有者は、作業用具の整備、船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令で定める事項を遵守しなければならない。
船舶所有者は、国土交通省令で定める危険な船内作業については、国土交通省令で定める経験又は技能を有しない船員を従事させてはならない。
船舶所有者は、次に掲げる船員を作業に従事させてはならない。
  1. 伝染病にかかつた船員
  2. 心身の障害により作業を適正に行うことができない船員として国土交通省令で定めるもの
  3. 前二号に掲げるもののほか、労働に従事することによつて病勢の増悪するおそれのある疾病として国土交通省令で定めるものにかかつた船員
船員は、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令の定める事項を遵守しなければならない。
船舶所有者は、船員と雇入契約(次条第一項に規定する特定雇入契約を除く。第八十一条の四において同じ。)を締結したときは、遅滞なく、当該船員について、国土交通省令で定めるところにより、基本訓練(船舶に急迫した危険がある場合その他非常の場合における海上労働の安全及び衛生を確保するための次に掲げる事項に関する教育訓練をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)を実施しなければならない。ただし、当該船員が次項に規定する証明書であつて当該船舶所有者が交付したものを受有している場合にあつては基本訓練を実施することを要せず、当該船員が次条第二項に規定する証明書であつて当該船舶所有者が交付したものを受有している場合にあつては第三号及び第四号に掲げる事項に係る基本訓練を実施することを要しない。
  1. 船舷から水面への安全な飛び降り方、救命設備の使用方法その他の海上での救命に関する事項(次条第三項第一号において「生存技術」という。)
  2. 火災の化学的性質、消火設備の使用方法その他の船上での消火に関する事項(次条第三項第二号において「消火技術」という。)
  3. 負傷者に対する船内での応急の手当に関する事項
  4. 前三号に掲げるもののほか、船舶に急迫した危険がある場合その他非常の場合における海上労働の安全及び衛生を確保するための国土交通省令で定める事項
船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、基本訓練を修了した者に対し、基本訓練を修了した旨の証明書を交付しなければならない。
船舶所有者は、船員と特定雇入契約(遠洋区域、近海区域又は沿海区域を航行区域とする船舶その他の国土交通省令で定める船舶において船長その他の国土交通省令で定める職務を行う旨を定めた雇入契約をいう。以下この条から第八十一条の五までにおいて同じ。)を締結したときは、遅滞なく、当該船員について、国土交通省令で定めるところにより、基本訓練(前条第一項第三号及び第四号に掲げる事項に係るものに限る。)を実施しなければならない。ただし、当該船員が同条第二項又は次項に規定する証明書であつて当該船舶所有者が交付したものを受有している場合は、この限りでない。
船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、前項に規定する基本訓練を修了した者に対し、当該基本訓練を修了した旨の証明書を交付しなければならない。
船舶所有者は、船員と特定雇入契約を締結したときは、遅滞なく、当該船員に、国土交通省令で定めるところにより、次の各号に掲げる教育訓練の区分に応じ、当該各号に定める実技講習を受けさせなければならない。
  1. 生存技術に関する教育訓練生存技術に関する知識及び能力を習得させるための実技講習(以下「生存講習」という。)であつて、第八十三条の二(登録生存講習機関の登録)の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録生存講習機関」という。)(第八十三条の十四第一項の規定により国土交通大臣が生存講習を自ら行う場合にあつては、国土交通大臣)が行うもの
  2. 消火技術に関する教育訓練消火技術に関する知識及び能力を習得させるための実技講習(第五項第二号を除き、以下「消火講習」という。)であつて、第八十三条の十七(登録消火講習機関の登録)の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(第八十三条の十九及び第百三十一条の三において「登録消火講習機関」という。)(第八十三条の十九において準用する第八十三条の十四第一項の規定により国土交通大臣が消火講習を自ら行う場合にあつては、国土交通大臣)が行うもの
前項第一号に係る部分に限る。)の規定は、特定雇入契約を締結した船員が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する場合には、適用しない。
  1. 特定雇入契約の締結の日前五年以内に前項第一号に定める実技講習の課程を修了したこと。
  2. 特定雇入契約の締結の日前五年以内に船舶職員及び小型船舶操縦者法第四条第二項に規定する登録海技免許講習(次項第二号において「登録海技免許講習」という。)のうち同法別表第一の備考第三号又は第四号に規定する救命講習又は機関救命講習の課程を修了したこと。
  3. 千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約(以下「船員条約」という。)又は千九百九十五年の漁船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約(以下「漁船員条約」という。)の締約国が発給した書面によつて特定雇入契約の締結の日前五年以内に前項第一号に定める実技講習に相当する講習の課程を修了したことを確認することができること。
第三項第二号に係る部分に限る。)の規定は、特定雇入契約を締結した船員が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する場合には、適用しない。
  1. 特定雇入契約の締結の日前五年以内に第三項第二号に定める実技講習の課程を修了したこと。
  2. 特定雇入契約の締結の日前五年以内に登録海技免許講習のうち船舶職員及び小型船舶操縦者法別表第一の備考第五号に規定する消火講習の課程を修了したこと。
  3. 船員条約又は漁船員条約の締約国が発給した書面によつて特定雇入契約の締結の日前五年以内に第三項第二号に定める実技講習に相当する講習の課程を修了したことを確認することができること。
前条第三項から第五項までの規定は、船舶所有者が船員と締結した雇入契約を特定雇入契約に変更した場合について準用する。
船舶所有者は、当該船舶所有者との間に特定雇入契約が存する船員について第八十一条の三第三項第一号又は第四項第二号若しくは第三号に定める講習の課程の修了の日(これらの日が複数ある場合にあつては、直近の日)後五年を経過したときは、遅滞なく、当該船員に、国土交通省令で定めるところにより、同条第三項第一号(特定雇入契約が存する船員に対する再講習)に定める実技講習又はこれに相当する講習であつて船員条約若しくは漁船員条約の締約国が認めたものを受けさせなければならない。
船舶所有者は、当該船舶所有者との間に特定雇入契約が存する船員について第八十一条の三第三項第二号又は第五項第二号若しくは第三号に定める講習の課程の修了の日(これらの日が複数ある場合にあつては、直近の日)後五年を経過したときは、遅滞なく、当該船員に、国土交通省令で定めるところにより、同条第三項第二号(特定雇入契約が存する船員に対する再講習)に定める実技講習又はこれに相当する講習であつて船員条約若しくは漁船員条約の締約国が認めたものを受けさせなければならない。
船舶所有者は、左の船舶には、医師を乗り組ませなければならない。但し、国内各港間を航海するとき、国土交通省令の定める区域のみを航海するとき、又は国土交通省令の定める短期間の航海を行なう場合若しくはやむを得ない事由がある場合において国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
  1. 遠洋区域又は近海区域を航行区域とする総トン数三千トン以上の船舶で最大とう載人員百人以上のもの
  2. 前号に掲げる船舶以外の遠洋区域を航行区域とする国土交通省令の定める船舶で国土交通大臣の指定する航路に就航するもの
  3. 国土交通省令の定める母船式漁業に従事する漁船
船舶所有者は、左の船舶(前条各号に掲げるものを除く。)については、乗組員の中から衛生管理者を選任しなければならない。但し、国内各港間を航海する場合又は国土交通省令の定める区域のみを航海する場合は、この限りでない。
  1. 遠洋区域又は近海区域を航行区域とする総トン数三千トン以上の船舶
  2. 国土交通省令の定める漁船
衛生管理者は、衛生管理者適任証書を受有する者でなければならない。但し、やむを得ない事由がある場合において、国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
国土交通大臣は、左に掲げる者に衛生管理者適任証書を交付する。
  1. 国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣の行なう試験に合格した者
  2. 国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣が前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認定した者
衛生管理者は、国土交通省令の定めるところにより、船内の衛生管理に必要な業務に従事しなければならない。その業務については、衛生管理者は、必要に応じ、医師の指導を受けるように努めなければならない。
前各項に定めるものの外、衛生管理者及び衛生管理者適任証書に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
船舶所有者は、国土交通大臣の指定する医師が船内労働に適することを証明した健康証明書を持たない者を船舶に乗り組ませてはならない。
健康証明書に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。

生存講習を行う者は、申請により、国土交通大臣の登録を受けることができる。
国土交通大臣は、前条(登録生存講習機関の登録)の規定により登録の申請をした者(次項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件に適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
  1. 生存講習の用に供する施設又は設備が次に掲げる要件に適合すること。
    1. 実習水域(実習期間中においては、原則として占用することができるものに限る。)又は水泳プール及び飛び込み台を備えていること。
    2. 救命器具及び信号装置を備えていること。
  2. 生存講習を担当させる講師が次に掲げる要件に適合すること。
    1. 十八歳以上であること。
    2. 過去二年間に生存講習の実施に関する事務(以下「生存講習事務」という。)に関し不正な行為を行つた者又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者でないこと。
    3. 船舶職員及び小型船舶操縦者法第五条第一項第一号ハに掲げる三級海技士(航海)の資格若しくは同項第二号ハに掲げる三級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格に係る同法第四条第一項に規定する海技免許を有する者又はこれらと同等以上の知識及び能力を有する者であること。
国土交通大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。
  1. この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
  2. 第八十三条の十三(登録の取消し等)の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
  3. 法人であつて、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
前条(登録生存講習機関の登録)の登録は、登録生存講習機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
  1. 登録年月日及び登録番号
  2. 生存講習を行う者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  3. 生存講習事務を行う事務所の所在地
  4. 前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
登録生存講習機関は、前条第三項第二号から第四号までに掲げる事項を変更しようとするときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
登録生存講習機関は、公正に、かつ、国土交通省令で定める時間数以上の講習を行うことその他国土交通省令で定める基準に適合する方法により生存講習事務を行わなければならない。
登録生存講習機関は、その生存講習の課程を修了した者に対し、生存講習の課程を修了した旨の証明書(次条第二項において「修了証明書」という。)を交付しなければならない。
登録生存講習機関は、生存講習事務の開始前に、生存講習事務の実施に関する規程(次項において「登録生存講習事務規程」という。)を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
登録生存講習事務規程には、生存講習の実施方法、生存講習に関する料金、修了証明書の交付の手続その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。
登録生存講習機関は、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、生存講習事務に関し国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
登録生存講習機関は、毎事業年度、当該事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条及び第百条の十九第二項において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。
生存講習を受講しようとする者その他の利害関係人は、登録生存講習機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録生存講習機関の定めた費用を支払わなければならない。
  1. 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
  2. 前号の書面の謄本又は抄本の請求
  3. 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
  4. 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
国土交通大臣は、登録生存講習機関が第八十三条の三第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録生存講習機関に対し、当該要件に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
国土交通大臣は、登録生存講習機関が第八十三条の六(生存講習事務の実施に係る義務)の規定に違反していると認めるときは、その登録生存講習機関に対し、同条第一項の規定により生存講習事務を行うべきこと又は生存講習の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
登録生存講習機関は、生存講習事務に関する業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
国土交通大臣は、登録生存講習機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第八十三条の二(登録生存講習機関の登録)の登録を取り消し、又は期間を定めて生存講習事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
  1. 第八十三条の三第二項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
  2. 正当な理由がないのに第八十三条の九第二項の規定による請求を拒んだとき。
  3. 第八十三条の十(適合命令)又は第八十三条の十一(改善命令)の規定による命令に違反したとき。
  4. 不正の手段により第八十三条の二(登録生存講習機関の登録)の登録又はその更新を受けたとき。
国土交通大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、生存講習事務に関する業務の全部又は一部を自ら行うことができる。
  1. 登録生存講習機関がいないとき。
  2. 第八十三条の十二(生存講習事務の休廃止)の規定による生存講習事務に関する業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があつたとき。
  3. 前条(登録の取消し等)の規定により第八十三条の二(登録生存講習機関の登録)の登録を取り消し、又は登録生存講習機関に対し生存講習事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
  4. 登録生存講習機関が天災その他の事由により生存講習事務に関する業務の全部又は一部を実施することが困難となつたとき。
国土交通大臣が前項の規定により生存講習事務に関する業務の全部又は一部を自ら行う場合における生存講習事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。
国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
  1. 第八十三条の十三(登録の取消し等)の規定により第八十三条の二(登録生存講習機関の登録)の登録を取り消し、又は業務の停止を命じたとき。
  2. 前条第一項の規定により国土交通大臣が生存講習事務に関する業務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行つていた生存講習事務に関する業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
国土交通大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、登録生存講習機関に対し、生存講習事務に関し報告させ、又はその職員に、登録生存講習機関の事務所に立ち入り、生存講習事務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査し、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

消火講習を行う者は、申請により、国土交通大臣の登録を受けることができる。
国土交通大臣は、前条(登録消火講習機関の登録)の規定により登録の申請をした者(次項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件に適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
  1. 消火講習の用に供する施設又は設備が次に掲げる要件に適合すること。
    1. 実習場(密閉された区画があるものに限る。)を備えていること。
    2. 水噴霧放射器、泡消火器、炭酸ガス消火器、粉末消火器その他の国土交通省令で定める器具を備えていること。
  2. 消火講習を担当させる講師が次に掲げる要件に適合すること。
    1. 十八歳以上であること。
    2. 過去二年間に消火講習の実施に関する事務(第三項第三号及び次条において「消火講習事務」という。)に関し不正な行為を行つた者又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者でないこと。
    3. 船舶職員及び小型船舶操縦者法第五条第一項第一号ハに掲げる三級海技士(航海)の資格若しくは同項第二号ハに掲げる三級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格に係る同法第四条第一項に規定する海技免許を有する者又はこれらと同等以上の知識及び能力を有する者であること。
国土交通大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。
  1. この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
  2. 次条(準用)において準用する第八十三条の十三(登録の取消し等)の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
  3. 法人であつて、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
前条(登録消火講習機関の登録)の登録は、登録消火講習機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
  1. 登録年月日及び登録番号
  2. 消火講習を行う者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  3. 消火講習事務を行う事務所の所在地
  4. 前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
前節(第八十三条の二及び第八十三条の三を除く。)の規定は、第八十三条の十七(登録消火講習機関の登録)の登録、消火講習、登録消火講習機関及び消火講習事務について準用する。この場合において、第八十三条の四(登録事項の変更の届出)中「前条第三項第二号」とあるのは「第八十三条の十八第三項第二号」と、第八十三条の五第二項中「第八十三条の二及び第八十三条の三」とあるのは「第八十三条の十七及び第八十三条の十八」と、第八十三条の七(登録生存講習事務規程)中「登録生存講習事務規程」とあるのは「登録消火講習事務規程」と、第八十三条の十(適合命令)中「第八十三条の三第一項各号」とあるのは「第八十三条の十八第一項各号」と、第八十三条の十三(登録の取消し等)第一号中「第八十三条の三第二項第一号」とあるのは「第八十三条の十八第二項第一号」と、第八十三条の十六第一項中「この節」とあるのは「この節(第八十三条の二及び第八十三条の三を除く。)並びに次条及び第八十三条の十八」と読み替えるものとする。

船舶所有者は、船内における安全及び衛生の水準並びに休息の質の向上を図るため、次に掲げる措置を継続的かつ計画的に講ずることにより、快適な海上労働環境(船内における職場環境並びに船員室の居住環境及びインターネットの利用環境をいう。以下この条において同じ。)を形成するように努めなければならない。この場合において、第二号から第四号までに掲げる措置については、当該船舶の航行区域、航路その他の航海の期間及び態様を勘案するものとする。
  1. 係船の自動化その他の船内作業の方法を改善するための措置
  2. 船員室の新設、増設又は拡大
  3. 船員室におけるインターネットの利用を確保するための措置
  4. 浴槽その他の船内作業に従事することによる船員の疲労を回復するための施設又は設備の設置又は整備
  5. 空気調和設備の作動状態の確認その他の海上労働環境を快適な状態に維持管理するための措置
  6. 前各号に掲げるもののほか、快適な海上労働環境を形成するため必要な措置
国土交通大臣は、前条(船舶所有者の講ずる措置)に規定する措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
国土交通大臣は、前項の指針に従い、船舶所有者又はその団体に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。

未成年者が船員となるには、法定代理人の許可を受けなければならない。
前項の許可を受けた者は、雇入契約に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
船舶所有者は、年齢十六年未満の者(漁船にあつては、年齢十五年に達した日以後の最初の三月三十一日が終了した者を除く。)を船員として使用してはならない。ただし、同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、この限りでない。
船舶所有者は、年齢十八年未満の船員を第八十一条第二項の国土交通省令で定める危険な船内作業又は国土交通省令で定める当該船員の安全及び衛生上有害な作業に従事させてはならない。
船舶所有者は、年齢十八年未満の者を船員として使用しようとするときは、国土交通大臣の認証を受けなければならない。
前項の認証に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
船舶所有者は、年齢十八年未満の船員を午後八時から翌日の午前五時までの間において作業に従事させてはならない。ただし、国土交通省令の定める場合において午前零時から午前五時までの間を含む連続した九時間の休息をさせるときは、この限りでない。
前項の規定は、第六十八条第一項の作業に従事させる場合には、これを適用しない。
第一項の規定は、漁船及び船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、これを適用しない。

船舶所有者は、妊娠中の女子を船内で使用してはならない。ただし、次の各号の一に掲げる場合は、この限りでない。
  1. 国土交通省令で定める範囲の航海に関し、妊娠中の女子が船内で作業に従事することを申し出た場合において、その者の母性保護上支障がないと医師が認めたとき。
  2. 女子の船員が妊娠中であることが航海中に判明した場合において、その者が当該船舶の航海の安全を図るために必要な作業に従事するとき。
船舶所有者は、出産後八週間を経過しない女子を船内で使用してはならない。ただし、出産後六週間を経過した女子が船内で作業に従事することを申し出た場合において、その者の母性保護上支障がないと医師が認めたときは、この限りでない。
船舶所有者は、第一項ただし書の規定に基づき、妊娠中の女子を船内で作業に従事させる場合において、その女子の申出があつたときは、その者を軽易な作業に従事させなければならない。
船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、妊娠中又は出産後一年以内の女子(以下「妊産婦」という。)の船員を国土交通省令で定める母性保護上有害な作業に従事させてはならない。
船舶所有者は、妊産婦の船員を第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事させてはならない。
船舶所有者は、出産後八週間を経過した妊産婦の船員が、第六十四条第一項に規定する場合において、第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事することを申し出たとき(その者の母性保護上支障がないと医師が認めた場合に限る。)は、前項の規定にかかわらず、同条第一項の規定による労働時間の制限を超えて当該妊産婦の船員を作業に従事させることができる。
船舶所有者は、出産後八週間を経過した妊産婦の船員が、第六十四条第二項に規定する場合において、第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事することを申し出たとき(その者の母性保護上支障がないと医師が認めた場合に限る。)は、第一項の規定にかかわらず、第六十四条第二項の国土交通省令で定める時間を限度として、第六十条第一項の規定による労働時間の制限を超えて当該妊産婦の船員を作業に従事させることができる。
第六十四条第三項及び第六十六条(割増手当)の規定は、第二項の規定により妊産婦の船員が労働時間の制限を超えて作業に従事した場合について準用する。この場合において、第六十六条(割増手当)中「第六十条第一項の規定若しくは第七十二条の国土交通省令の規定」とあるのは、「第六十条第一項の規定」と読み替えるものとする。
第六十五条の二第一項第三項及び第四項並びに第六十六条(割増手当)の規定は、第三項の規定により妊産婦の船員が労働時間の制限を超えて作業に従事した場合について準用する。この場合において、第六十五条の二第一項中「第六十条第一項の規定又は第七十二条の国土交通省令の規定」とあるのは「第六十条第一項の規定」と、「第六十条第一項の規定及び第七十二条の国土交通省令の規定による労働時間並びに海員にあつては次項の規定による作業に従事する」とあるのは「同項の規定による」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第八十八条の二の二第五項において準用する第一項」と、同条第四項中「第六十四条第一項」とあるのは「第八十八条の二の二第二項」と、「第一項及び第二項」とあるのは「同条第五項において準用する第一項」と、第六十六条(割増手当)中「第六十条第一項の規定若しくは第七十二条の国土交通省令の規定」とあるのは「第六十条第一項の規定」と読み替えるものとする。
第六十五条の三第三項の規定は、出産後八週間を経過した妊産婦の船員(海員にあつては、同項各号に掲げる者に限る。)がその休息時間を同項の協定で定めるところによることを船舶所有者に申し出て、その者の母性保護上支障がないと医師が認めた場合について準用する。
船舶所有者は、妊産婦の船員に一週間について少なくとも一日の休日(第六十二条第一項の規定により与えられる補償休日を除く。)を与えなければならない。
妊産婦の船員に係る第六十二条(補償休日)の規定の適用については、同条第一項中「一週間において四十時間を超える場合又は船員に一週間において少なくとも一日の休日を与えることができない場合」とあるのは「一週間において四十時間を超える場合」と、「当該一週間において少なくとも一日の休日が与えられない場合にあつては、その超える時間が八時間を超える時間。次項において」とあるのは「次項において」と、「作業に従事すること又はその休日を与えられないこと」とあるのは「作業に従事すること」と、同条第二項中「超過時間の合計八時間当たり又は少なくとも一日の休日が与えられない一週間当たり一日を基準として、第六十条第二項及び前条」とあるのは「超過時間の合計八時間当たり一日を基準として、第六十条第二項」とする。
船舶所有者は、出産後八週間を経過した妊産婦の船員が次に掲げる申出をした場合において、その者の母性保護上支障がないと医師が認めたときは、第一項及び前項の規定により読み替えて適用する第六十二条第一項の規定にかかわらず、当該妊産婦の船員を休日において作業に従事させることができる。
  1. 第六十四条第一項に規定する場合において、休日において作業に従事することの申出
  2. 第六十五条に規定する場合において、同条の協定で定めるところにより、かつ、国土交通省令で定める日数を超えない範囲内で、休日において作業に従事することの申出
第六十六条(割増手当)の規定は、前項の規定により妊産婦の船員が休日において作業に従事した場合について準用する。
船舶所有者は、妊産婦の船員を午後八時から翌日の午前五時までの間において作業に従事させてはならない。ただし、国土交通省令で定める場合において、これと異なる時刻の間において午前零時前後にわたり連続して九時間休息させるときは、この限りでない。
前項の規定は、出産後八週間を経過した妊産婦の船員が同項本文の時刻の間において作業に従事すること又は同項ただし書の規定による休息時間を短縮することを申し出た場合において、その者の母性保護上支障がないと医師が認めたときは、これを適用しない。
船舶所有者は、妊産婦以外の女子の船員を第八十八条に規定する作業のうち国土交通省令で定める女子の妊娠又は出産に係る機能に有害なものに従事させてはならない。
船舶所有者は、生理日における就業が著しく困難な女子の船員の請求があつたときは、その者を生理日において作業に従事させてはならない。
この章の規定は、船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、これを適用しない。

船員が職務上負傷し、又は疾病にかかつたときは、船舶所有者は、その負傷又は疾病がなおるまで、その費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担しなければならない。
船員が雇入契約存続中職務外で負傷し、又は疾病にかかつたときは、船舶所有者は、三箇月の範囲内において、その費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担しなければならない。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。
前条(療養補償)の療養は、次の各号のものとする。
  1. 診察
  2. 薬剤又は治療材料の支給
  3. 処置、手術その他の治療
  4. 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
  5. 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
  6. 治療に必要な自宅以外の場所への収容(食料の支給を含む。)
  7. 移送
船員が職務上負傷し、又は疾病にかかつたときは、船舶所有者は、四箇月の範囲内においてその負傷又は疾病がなおるまで毎月一回、国土交通省令の定める報酬(以下標準報酬という。)の月額に相当する額の傷病手当を支払い、その四箇月が経過してもその負傷又は疾病がなおらないときは、そのなおるまで毎月一回、標準報酬の月額の百分の六十に相当する額の傷病手当を支払わなければならない。
船舶所有者は、前項の負傷又は疾病がなおつた後遅滞なく、標準報酬の月額の百分の六十に相当する額の予後手当を支払わなければならない。
前二項の規定は、負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、これを適用しない。
船員の職務上の負傷又は疾病がなおつた場合において、なおその船員の身体に障害が存するときは、船舶所有者は、なおつた後遅滞なく、標準報酬の月額に障害の程度に応じ別表に定める月数を乗じて得た額の障害手当を支払わなければならない。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。
船舶所有者は、船員が職務上行方不明となつたときは、三箇月の範囲内において、行方不明期間中毎月一回、国土交通省令の定める被扶養者に標準報酬の月額に相当する額の行方不明手当を支払わなければならない。但し、行方不明の期間が一箇月に満たない場合は、この限りでない。
船員が職務上死亡したときは、船舶所有者は、遅滞なく、国土交通省令の定める遺族に標準報酬の月額の三十六箇月分に相当する額の遺族手当を支払わなければならない。船員が職務上の負傷又は疾病に因り死亡したときも同様とする。
船員が職務上死亡したときは、船舶所有者は、遅滞なく、国土交通省令の定める遺族で葬祭を行う者に標準報酬の月額の二箇月分に相当する額の葬祭料を支払わなければならない。船員が職務上の負傷又は疾病に因り死亡したときも同様とする。
第八十九条(療養補償)から前条(葬祭料)までの規定により療養又は費用、手当若しくは葬祭料の支払(以下災害補償と総称する。)を受くべき者が、その災害補償を受くべき事由と同一の事由により労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)若しくは船員保険法による保険給付又は国土交通省令で指定する法令に基いて災害補償に相当する給付を受くべきときは、船舶所有者は、災害補償の責を免れる。
職務上の負傷、疾病、行方不明又は死亡の認定、療養の方法、災害補償の金額の決定その他災害補償の実施に関して異議のある者は、国土交通大臣に対して審査又は事件の仲裁を申し立てることができる。
国土交通大臣は、必要があると認めるときは、職権で審査又は事件の仲裁をすることができる。
国土交通大臣は、審査又は事件の仲裁に際し船長その他の関係人の意見を聴かなければならない。
国土交通大臣は、審査又は事件の仲裁のため必要があると認めるときは、医師に診断又は検案をさせることができる。
第一項の規定による審査又は事件の仲裁の申立て及び第二項の規定による審査又は事件の仲裁の開始は、時効の完成猶予及び更新に関しては、これを裁判上の請求とみなす。

常時十人以上の船員を使用する船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、次の事項について就業規則を作成し、これを国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
  1. 給料その他の報酬
  2. 労働時間
  3. 休日及び休暇
  4. 定員
前項の船舶所有者は、次の事項について就業規則を作成したときは、これを国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
  1. 食料並びに安全及び衛生
  2. 被服及び日用品
  3. 陸上における宿泊、休養、医療及び慰安の施設
  4. 災害補償
  5. 失業手当、雇止手当及び退職手当
  6. 送還
  7. 教育
  8. 賞罰
  9. その他の労働条件
船舶所有者を構成員とする団体で法人たるものは、その構成員たる第一項の船舶所有者について適用される就業規則を作成して、これを届け出ることができる。その変更についても同様とする。
前項の規定による届出があつたときは、同項に規定する船舶所有者は、当該就業規則の作成及びその作成又は変更の届出をしなくてもよい。
第一項乃至第三項の規定による届出には、第九十八条(就業規則の作成の手続)の規定により聴いた意見を記載した書面を添附しなければならない。
船舶所有者又は前条第三項に規定する団体は、就業規則を作成し、又は変更するには、その就業規則の適用される船舶所有者の使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときは、その労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは、船員の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
国土交通大臣は、法令又は労働協約に違反する就業規則の変更を命ずることができる。
国土交通大臣は、就業規則が不当であると認めるときは、交通政策審議会又は地方運輸局に置かれる政令で定める審議会(以下「交通政策審議会等」という。)の議を経て、その変更を命ずることができる。
就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める雇入契約は、その部分については、無効とする。この場合には、雇入契約は、その無効の部分については、就業規則で定める基準に達する労働条件を定めたものとみなす。

総トン数五百トン以上の日本船舶(漁船その他国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。以下「特定船舶」という。)の船舶所有者は、当該特定船舶を初めて本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間の航海(以下「国際航海」という。)に従事させようとするときは、当該特定船舶に係る船員の労働条件、安全衛生その他の労働環境及び療養補償(以下「労働条件等」という。)について、国土交通大臣又は第百条の十二(登録)の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録検査機関」という。)の行う定期検査を受けなければならない。次条第一項の海上労働証書又は第百条の六第三項の臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶をその有効期間満了後も国際航海に従事させようとするときも、同様とする。
前項の検査は、特定船舶以外の日本船舶(漁船その他同項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。)であつて、国際航海に従事させようとするものについても、船舶所有者の申請により実施することができる。
国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が前条第一項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件の全てに適合すると認めたときは、当該船舶の船舶所有者に対し、海上労働証書を交付しなければならない。国土交通大臣又は登録検査機関が同項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めた場合において、国土交通大臣が当該要件に適合するために必要な措置が講じられたものと認めたときも、同様とする。
  1. 第三十二条第一項及び第三項の規定により、船員にこれらの規定に規定する書面が交付されていること。
  2. 第三十二条の二(募集受託者又は船員職業紹介事業者を利用した船員の雇入れの制限)各号に掲げる者が船員として雇い入れられていないこと。
  3. 第三十六条第一項及び第二項の規定により、船員にこれらの規定に規定する書面が交付されていること。
  4. 第三十六条第三項の規定により、同項に規定する書面の写しが船内に備え置かれていること。
  5. 第四十七条第一項又は第二項の規定による送還(当該送還に代えてするその費用の支払を含む。)を確実に実施するために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置が講じられていること。
  6. 第五十条第四項本文の規定により船員の勤務に関する事項が船員手帳に記載され、又は同項ただし書の規定により船員に同項ただし書に規定する書面が交付されていること。
  7. 第五十三条第一項及び第二項並びに第五十六条の規定により、船員に給料その他の報酬が支払われていること。
  8. 第五十三条第三項の規定により、船員に同項に規定する書面が交付されていること。
  9. 船員の労働時間及び休日が、第六十条第一項及び第二項第六十一条(休日)第六十二条(補償休日)第六十四条第一項及び第二項第六十四条の二第一項第六十五条第六十五条の二第一項第八十八条の二の二第五項において準用する場合を含む。)及び第二項第六十五条の二第三項及び第四項(これらの規定を第八十八条の二の二第五項において準用する場合を含む。)並びに第五項第六十五条の三第一項及び第二項同条第三項第八十八条の二の二第六項において準用する場合を含む。)、第六十八条第一項第七十一条(適用範囲等)第七十二条(特例)第八十八条の二(妊産婦の労働時間及び休日の特例)第八十八条の二の二第一項から第三項まで、第八十八条の三第一項から第三項まで並びに第八十八条の五(例外規定)の規定による基準に適合しているものであること。
  10. 第六十六条の二(通常配置表)の規定により、通常配置表が定められ、及びこれが掲示されていること。
  11. 十一
    第六十七条第一項の規定により同項に規定する事項が記録簿に記載されており、かつ、同条第二項の規定によりその写しが船員に交付されていること。
  12. 十二
    第七十条の規定により、必要な員数の海員が乗り組んでいること。
  13. 十三
    第八十条第一項から第三項までの規定により、船員に食料が支給されていること。
  14. 十四
    第八十条第四項の国土交通省令で定める船舶にあつては、同項の国土交通省令で定める基準に該当する者が乗り組んでいること。
  15. 十五
    船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し第八十一条第一項の国土交通省令で定める事項が遵守されていること。
  16. 十六
    第八十一条第二項の国土交通省令で定める危険な船内作業に、同項の国土交通省令で定める経験又は技能を有しない船員が従事していないこと。
  17. 十七
    第八十一条第三項各号に掲げる船員が作業に従事していないこと。
  18. 十八
    第八十一条の二第一項又は第八十一条の三第一項の規定により、船員についてこれらの規定に規定する基本訓練が実施されていること。
  19. 十九
    第八十一条の三第三項から第五項まで(これらの規定を第八十一条の四において準用する場合を含む。)及び第八十一条の五(特定雇入契約が存する船員に対する再講習)の規定により、船員に第八十一条の三第三項各号に定める実技講習(第八十一条の五の規定の適用を受ける船員にあつては、これらに相当する講習であつて船員条約又は漁船員条約の締約国が認めたものを含む。)を受けさせていること。
  20. 二十
    第八十二条(医師)第一号及び第二号に掲げる船舶にあつては、同条(海上労働証書)の規定により、医師が乗り組んでいること。
  21. 二十一
    第八十二条の二第一項第一号に掲げる船舶にあつては、同項及び同条第二項の規定により、衛生管理者が選任されていること。
  22. 二十二
    第八十三条第一項の健康証明書を持たない者が船舶に乗り組んでいないこと。
  23. 二十三
    年齢十六年未満の者が船員として使用されていないこと。
  24. 二十四
    年齢十八年未満の船員が第八十一条第二項の国土交通省令で定める危険な船内作業又は第八十五条第二項の国土交通省令で定める当該船員の安全及び衛生上有害な作業に従事していないこと。
  25. 二十五
    年齢十八年未満の船員が第八十六条(年少船員の夜間労働の禁止)の規定により作業に従事させてはならない時刻の間において作業に従事していないこと。
  26. 二十六
    第八十九条(療養補償)の規定により、船員が負傷し、又は疾病にかかつたとき(第九十五条に規定する場合を除く。)において、船舶所有者がその費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担していること。
  27. 二十七
    第九十二条(障害手当)の障害手当及び第九十三条(遺族手当)の遺族手当を確実に支払うために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置が講じられていること。
  28. 二十八
    第百十三条第一項の規定により、同項に規定する書類が船内の見やすい場所に掲示され、又は備え置かれていること。
  29. 二十九
    第百十七条の二第一項の国土交通省令で定める船舶にあつては、同項の規定により、同項に規定する航海当直部員が乗り組んでいること。
  30. 三十
    第百十八条の六第一項の規定により、同項に規定する船内苦情処理手続が定められていること。
  31. 三十一
    第百十八条の六第二項の規定により、船員に同項に規定する書面が交付されていること。
  32. 三十二
    第百十八条の六第三項の規定により、同条第一項の苦情が処理されていること。
  33. 三十三
    第百十八条の六第一項の苦情の申出をしたことを理由として、船員に対して不利益な取扱いがされていないこと。
  34. 三十四
    有効な船舶安全法第九条第一項の船舶検査証書又は同条第二項の臨時航行許可証の交付を受けていること。
  35. 三十五
    船舶職員及び小型船舶操縦者法第二条第一項に規定する船舶(同条第四項に規定する小型船舶を除く。)にあつては、同法第十八条(第四項を除く。)第十九条第一項及び第二十二条の二第五項の規定により、同法第二条第二項に規定する船舶職員が乗り組んでいること。
  36. 三十六
    国土交通省令で定めるところにより、当該船舶が前各号に掲げる要件に適合するために船舶所有者が実施すべき事項並びにその管理の体制及び方法が定められており、かつ、これらが適確に実施されていること。
前項の海上労働証書(以下「海上労働証書」という。)の有効期間は、五年とする。
前条第一項後段の検査の結果第一項の規定による海上労働証書の交付を受けることができる特定船舶であつて、国土交通省令で定める事由により従前の海上労働証書の有効期間が満了するまでの間において当該検査に係る海上労働証書の交付を受けることができなかつたものについては、従前の海上労働証書の有効期間は、前項の規定にかかわらず、当該検査に係る海上労働証書が交付される日又は従前の海上労働証書の有効期間が満了する日の翌日から起算して五月を経過する日のいずれか早い日までの期間とする。
前二項の規定にかかわらず、海上労働証書の交付を受けた船舶の船舶所有者の変更があつたときは、当該船舶に交付された海上労働証書の有効期間は、その変更があつた日に満了したものとみなす。
次に掲げる場合における海上労働証書の有効期間は、第二項の規定にかかわらず、従前の海上労働証書の有効期間(第二号に掲げる場合にあつては、第三項の規定の適用がないものとした場合の有効期間)が満了する日の翌日から起算して五年を経過する日までの期間とする。
  1. 従前の海上労働証書の有効期間が満了する日前三月以内に受けた前条第一項後段の検査に係る海上労働証書の交付を受けたとき。
  2. 従前の海上労働証書の有効期間について第三項の規定の適用があつたとき。
海上労働証書の交付を受けた船舶の船舶所有者は、当該海上労働証書の有効期間中において国土交通省令で定める時期に、当該船舶に係る船員の労働条件等について国土交通大臣又は登録検査機関の行う中間検査を受けなければならない。
国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が前条(中間検査)の検査の結果当該船舶が第百条の三第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めたときは、当該要件に適合するために必要な措置が講じられたものと認めるまでの間、当該船舶に交付された海上労働証書の効力を停止するものとする。
特定船舶の船舶所有者は、当該特定船舶について船舶所有者の変更があつたことその他の国土交通省令で定める事由により有効な海上労働証書の交付を受けていない当該特定船舶を臨時に国際航海に従事させようとするときは、当該特定船舶に係る船員の労働条件等について、国土交通大臣又は登録検査機関(当該特定船舶が海上運送法第三十八条第四項の規定による検査を受けた船舶であるときは、正当な理由がある場合を除き、国土交通大臣又は登録検査機関のうち当該検査を行つたもの)の行う検査を受けなければならない。
前項の検査は、特定船舶以外の日本船舶(漁船その他第百条の二第一項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。)であつて、前項の国土交通省令で定める事由により有効な海上労働証書の交付を受けていないものを臨時に国際航海に従事させようとするものについても、船舶所有者の申請により実施することができる。
国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が第一項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件の全てに適合すると認めたときは、当該船舶の船舶所有者に対し、臨時海上労働証書を交付しなければならない。
  1. 第百条の三第一項第一号から第五号まで、第十号第十二号第十四号第十八号から第二十三号まで、第二十七号から第三十一号まで、第三十四号及び第三十五号の要件に適合していること。
  2. 船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し第八十一条第一項の国土交通省令で定める事項のうち、作業用具の整備、船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け並びに船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備に関するものとして国土交通省令で定める事項が遵守されていること。
  3. 国土交通省令で定めるところにより、当該船舶が第百条の三第一項第一号から第三十五号までに掲げる要件に適合するために船舶所有者が実施すべき事項並びにその管理の体制及び方法が定められていること。
前項の臨時海上労働証書(以下「臨時海上労働証書」という。)の有効期間は、六月とする。ただし、その有効期間は、当該船舶の船舶所有者が当該船舶について海上労働証書の交付を受けたときは、満了したものとみなす。
第百条の三第四項の規定は、臨時海上労働証書について準用する。
特定船舶は、有効な海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けているものでなければ、国際航海に従事させてはならない。
海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶の船舶所有者は、当該特定船舶内に、国土交通省令で定めるところにより、これらの証書を備え置かなければならない。
第百条の二第一項第百条の四(中間検査)又は第百条の六第一項の検査(以下「法定検査」という。)の結果に不服がある者は、その結果に関する通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内に、その理由を記載した文書を添えて国土交通大臣に再検査を申請することができる。
法定検査又は前項の再検査の結果に不服がある者は、その取消しの訴えを提起することができる。
再検査を申請した者は、国土交通大臣の許可を受けた後でなければ関係する帳簿書類その他の物件の現状を変更してはならない。
法定検査の結果に不服がある者は、第一項及び第二項の規定によることによつてのみこれを争うことができる。
国土交通大臣は、海上労働証書の交付を受けた船舶が、第百条の三第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該船舶の船舶所有者に対し、海上労働証書の返納を命ずることができる。
国土交通大臣は、臨時海上労働証書の交付を受けた船舶が、第百条の六第三項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該船舶の船舶所有者に対し、臨時海上労働証書の返納を命ずることができる。
法定検査の申請書の様式、法定検査の実施方法その他法定検査に関し必要な事項並びに海上労働証書及び臨時海上労働証書の様式、これらの証書の交付、再交付及び書換えその他これらの証書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

第百条の二第一項の規定による登録(以下単に「登録」という。)は、法定検査を行おうとする者の申請により行う。
国土交通大臣は、前項の規定により登録の申請をした者(以下この項及び次項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
  1. 次に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者(第百条の十七において「検査員」という。)が検査を実施すること。
    1. 船員の労働条件等の検査について三年以上の実務の経験を有すること。
    2. 船舶職員及び小型船舶操縦者法第二条第二項に規定する船舶職員として五年以上の乗船経験を有すること。
    3. イ又はロに掲げる者と同等以上の知識経験を有すること。
  2. 登録申請者が、船舶所有者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
    1. 登録申請者が株式会社である場合にあつては、船舶所有者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいい、当該登録申請者が外国にある事務所において検査に係る業務(以下「検査業務」という。)を行おうとする者である場合にあつては、外国における同法の親法人に相当するものを含む。)であること。
    2. 登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあつては、業務を執行する社員)に占める船舶所有者の役員又は職員(過去二年間に当該船舶所有者の役員又は職員であつた者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
    3. 登録申請者(法人にあつては、その代表権を有する役員)が、船舶所有者の役員又は職員(過去二年間に当該船舶所有者の役員又は職員であつた者を含む。)であること。
国土交通大臣は、登録申請者が、次の各号のいずれかに該当するときは、登録をしてはならない。
  1. この法律、船舶安全法、船員職業安定法若しくは船舶職員及び小型船舶操縦者法又はこれらの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
  2. 第百条の二十六第一項又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
  3. 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
  1. 登録年月日及び登録番号
  2. 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  3. 登録を受けた者が検査を行う事業所の所在地
  4. 前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
前条(登録)の規定は、前項の登録の更新について準用する。
登録検査機関は、検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、検査を行わなければならない。
登録検査機関は、公正に、かつ、第百条の十二第二項第一号に掲げる要件に適合する方法により検査を行わなければならない。
登録検査機関は、第百条の十二第四項第二号から第四号までに掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。

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船員法第三十四条(令和8年5月13日施行)